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みなさんも御存知のように今、まさにこの試験制度は過渡期にある。
どういうことかといえば、現行の司法試験制度と新たな司法試験制度の二つが並行して実施されているからだ。
ただこの制度ももうすぐ一本化される。
予定では現行の司法試験制度は二〇二年までで廃止され(二〇一一年は二〇一〇年の第二次試験の筆記試験に合格した者に対する口述試験に限り実施される)、新司法試験制度による試験だけになるため、それ以降は法科大学院、いわゆるロースクールを終了した人を対象に行なわれることになる。
ただ現行の司法試験制度の廃止に伴い、二〇一一年からはそれに代わって予備試験が実施される。
これは法科大学院を経由しない者にも法曹資格を取得する途を開くために設けられるもので、これに合格した者は法科大学院修了者と同等の資格で新司法試験を受験することができるようになる。
つまり、現行の司法試験制度に対して勉強している人がそのまま受験することも可能になるが、予備試験と新司法試験の両方に合格しなければいけないのでより負担は重くなるといえるだろう。
そこでこれから司法試験の突破を目指す場合だが、二〇一一年までに現行の司法試験に合格するのを目指すか、あるいは法科大学院に入学してそれから新司法試験を目指すかの二通りになる。
数字的に見てみると、現行の司法試験の第二次試験の結果は、二〇〇五年には合格者数が一五〇〇人程度いたのが二〇〇六年には五五〇人ほどになり、二〇〇七年には二五〇人ほどにまで減少している。
それに対して二〇〇六年から始まった新司法試験では、昨年度の二〇〇七年の結果を見てみると、出願者数五四〇一人に対して合格者数は一八五一人で合格率は三四%程度。
確かに人数的に見れば現行の司法試験で合格する人より数は多いが、最初の予想では七~八割は合格するとされていたのが半分にも満たないので、この人たちがまた新たに新司法試験を受けるのだから、将来的には多くの脱落者が出るのではないかと想像できる。
私の考えでは、現行の司法試験制度で合格者数がある程度期待できた昨年度くらいまでは現行の司法試験に合格するほうが有利だと思っていたが、これからはどちらを選ぶかはその人次第といえるかもしれない。
ただ法科大学院は最低でも二年は学校に通わなくてはいけないので、経費がかなりかかることは承知しておいてほしい。
もしそれが現行の司法試験制度に合格したならば、その後は公務員扱いになり、国から給料をもらいながら研修などを受けることができる。
その差は決して少なくはないはずだ。
また当初の予定では、二〇一〇年頃にはトータルで三〇〇〇人程度の合格者を想定し、法曹人口の増加を目指すとされていたが、ここにきてその見直し論が起きているのも見逃せない。
ということは、法科大学院を卒業しても新司法試験に受からない確率がますます増える可能性が高くなるのである。
さらに、新司法試験制度になると法科大学院を卒業後、あるいは予備試験に合格後、五年以内に三回の受験しか許されていない。
つまり期間と回数に制限がされているのでここでも短期決戦が求められている。
いずれにしても、今までお話したことを参考にして自分にあったトライの仕方を選択して実効してほしい。
将来的に見ても、弁護士や検事、裁判官などの仕事が暇になることはないだろうから、適正や仕事としての選択基準が自分に合うならば、ぜひとも今すぐチャレンジすることだ。
これから有望な資格、厳しい資格を時代背景から分析②つぎにその他の資格だが、貴近、人気の社会保険労務士もこれからは非常にいい。
例えば私たちの仕事柄、会社の事業再生や会社再建などに関わることが多いのだが、その場合、企業年金や退職給付引当金に関心を強く持つ。
なぜなら、債務超過かどうかのポイントとして、それが重要視されることがあるからだ。
いわゆる一種の負債として考え、その計算に当たるのが社会保険労務士などということになる。
実際問題、それに関する計算は社内ではなかなかできないらしく、計算に当たっては係数処理が必要で、それが相当面倒らしい。
そのため、そのような係数計算に明るい人であれば、独壇場も夢ではない。
今後、年金改革が重要になってくるだろうから、出番が少なくなることはない。
極めて有望な資格といえるだろう。
また時代の推移からいえば、今までは行政指導で成り立っていた社会がこれからは行政改革により、自分自身で自己防衛したり、自力で再建を計らなくてはいけなくなる。
そのときに重要な役目を果たすのが公認会計士や弁護士、司法書士だ。
国が守ってくれた時代から、外部の人たちの手を借りて自分たちで間違いを見つけ、再建していく。
そういう時代がやって来ている。
とくに司法書士などは最近になり、担当できる職務が拡大され、民事再生や個人再生、債務整理なども扱えるので注目しておきたい。
さらにこれも近年、資本金が小額でも会社を興すことができるようになり、起業の増加が見込まれる。
当然、小さな会社でも税理士のチェックが必要なので、この資格も期待していいだろう。
加えて私がこの頃、関心を払っているのが不動産のオフバランスだ。
これはわかりやすくいえば、不動産を会社から切り離すことである。
今までだったら不動産は資産価値が高く、それを所有することが会社のステータスにもなっていたが、バブルが弾けて以来、逆に不動産を持っていることで含み損が発生してしまうことがある。
それを防ぐために、ある会社を作ってそこに不動産を譲渡。
そこから借りて賃料を払う形式をとるのである。
ある会社の株主は投資家だ。
社債という方法もあるが、株主を投資家にした場合、その賃料を投資家に分配する。
そうすることで投資家は、数十年間に渡ってリターンを受けるわけだ。
有望な不動産であれば、投資家は必ず買ってくれる。
そうすれば会社としても不動産を切り離すことができ、賃料だけで済む。
便利度も非常に高くなり、今、その方式がとても流行っている。
その際、重要な役目を果たすのが不動産鑑定士だ。
不動産の価格は公正な評価をしなくてはいけない。
そこでこの資格の需要が高まると私は思っている。
これも注目の資格ではないだろうか。
最後に資格とはいえないが、国家公務員も取り上げておきたい。
安定という点では欠かすことができない。
確かに時代の波のせいか、人数を削減する動きもあるが、それも一般企業から較べれば格段に少ない。
この頃では一皮、民間企業に勤めてから、再び試験を受けて入り直す人も多くなっている。
また転勤が嫌な人ならば、地方公務員を選べばいいし、資格をとって独立するよりはやはりサラリーマンがいい、そのような考えの人ならば公務員がお薦めだ。
なかには一旦、公務員になってから、資格試験にトライする人もいる。
どちらも考え方次第だが、生活を安定させてからつぎのステップを踏むのであれば、そのような方法をとるのもいいだろう。
逆にそのほうが焦りや不安を生まないため、いい結果が得られるかもしれない。
資格はつぎのステップを踏むための、最も優れたアイテム考え方には、二通りあると思う。
一つが今いるポジションをより強固にする、安定化させるために資格をとる。
もう一つが、いざというときのためにとっておく、あるいは独立のためにとるという考え方だ。
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